ビートルズ初来日から60年目の記念公開『ビートルズがいた夏』 予告編【2026年7月4日公開】
1965年8月、ビートルズがシェイ・スタジアムへやって来た。
すぐ隣では楽天的な未来にあふれた万博が開かれ、西海岸では大規模な人種暴動が起こっていた。歓声の裏にあった静けさ、始まりの中にあった終わり。青春だった… そしてきっと “さよなら” だった。
ポール・マッカートニーが「未来のノスタルジア」と呼ぶビートルズの小さな名曲『Things We Said Today(今日の誓い)』をタイトルに冠した本作は、1966年6月29日のビートルズ初来日から60年目の記念公開として、7月4日(土)よりシアター・イメージフォーラム他にて全国順次公開される。
今回公開された予告編は、1965年8月15日、シェイ・スタジアムでいよいよビートルズのコンサートが開催される日に、友人たちと車で出かける女の子たちが、知り合い声を掛けながら走るシーンから始まる。ニューヨークの象徴でもある自由の女神、賑わう夏のビーチでは、家族が楽し気に写真を撮っている。庭で遊ぶ子供たち、サングラスを掛けた女性が歩くニューヨークの町、そこにはニューヨークで初めてビートルズの曲を流した人気DJの声が重なる。
このDJは、ニューヨーク・タイムズ紙、ル・モンド紙などにイラストを提供するフランスのアーティスト、ヤン・ケビの描く主人公ジェフリーの父親である。「気温は20度を超えた」という爽やかな夏の午後。タイトルロゴのあと、1965年8月13日、ビートルズがTWA機のタラップから、ニューヨークに降り立つ姿を映す。ニューヨークの街では、彼らを一目見ようとするビートルマニアで溢れている。続いて「作家になろうとする17歳の少年と、蝶の化身のような少女が出会った」様子として、アニメーションで本作の主人公ジェフリーが海辺で少女の姿を描く姿が映し出される。
同時にスタジアムの脇で開催されている万博では、アミューズメントを楽しむ姿が。アメリカという国の力が誇示される。次のシーンでは反対に西海岸で起きた暴動の様子が映され、ストリートで歌う人の姿と、遊ぶ子供たち、音楽と共に踊る人々、華やかな万博とはかけ離れた暗部が映り、最後には撮影しているカメラを手で払う映像が入る。シェイ・スタジアムの満席の観客席から、カメラのフラッシュが光る。その中にジェフリーがいる。「蝶の夢をみる」という女の子の「髪がなびいて、ゆっくりと大きな蝶になる」、そして夏のシェイ・スタジアムの空高く舞い上がる姿を、ヤン・ケビのアニメーションで描きながら、「そしてきっと“さよなら”だった」というタイトルと共に、誰もが体験したであろう17歳の男の子のあの夏の週末、を想起させて終わる。使用されている曲は、ビートルズがカバーして一層有名になったチャック・ベリーの『ロール・オーバー・ベートーヴェン』、そして公民権運動にも積極的に関わり、1964年33歳で亡くなったサム・クックの『キューピッド』。そしてエンディングには、キング・カーティスの独特のサックスが響く。
本作は、ルーマニアの巨匠監督アンドレイ・ウジカが、処刑された独裁者を描いた彼の記念碑的作品『ニコラエ・チャウシェスクの自伝』以来となる長編作品として10年以上の歳月をかけ作り上げた新たな都市交響詩。ハーレムからロングアイランドのジョーンズビーチまで、ありふれたものから魔法のようなものまで、ビートルズのコンサート開催を中心に、ニューヨークとその人々を多様な視点で描いたこの作品は、100時間以上のニュース番組と100時間の個人の8ミリフィルムから抜粋したアーカイブ素材ですべてが構成されている。そこに、フランスのアーティスト、ヤン・ケビによるアニメーションを重ね合わせ、主人公の詩人ジェフリー・オブライエンとヒロインのモデルとなったコンサート・ファンのジュディス・クリステンの個人的な文章、およびウジカ自身が1972年に書いた詩を用いた声を加えている。この想像力に富んだドキュメンタリーは、歴史からやがて消え去ってしまう儚くも忘れがたい瞬間を、感動的かつ独特のセンスで蘇らせる。
『ビートルズがいた夏』は、7月4日(土)よりシアター・イメージフォーラム他にて全国順次公開予定。
監督・脚本:アンドレイ・ウジカ
編集・サウンドデザイン:ダナ・ブネスク
録音・ミキシング:ダナ・ブネスク、ギヨーム・ソリニャ
VFXスーパーバイザー:オルガ・アヴラモフ
ドローイングアーティスト:ヤン・ケビ
リサーチ責任者:アンナ・クーリヒ
プロデューサー:ロナルド・シャマー、アナマリア・アントチ、アンドレイ・ウジカ
エグゼクティブ・プロデューサー:ヌレディン・エッサディ、アンダ・イオネスク、エルヴェ・シャンデス、ケント・ジョーンズ、アンナ・クーリヒ
キャスト(声)
トミー・マッケイブ:ジェフリー、テレーズ・アザラ:ジュディス、シェア・グラント:シェリー、サラ・マクラスキー:キャロル
2023年/フランス・ルーマニア/英語・フランス語・ドイツ語/85分/1.78:1
原題:TWST: Things We Said Today
©LES FILMS CAMÉLIA, MODERN ELECTRIC PICTURES, TANGAJ PRODUCTION, ARTE FRANCE CINÉMA, L’INSTITUT NATIONAL DE L’AUDIOVISUEL, 2024
字幕:福永詩乃
配給:オンリー・ハーツ
オンリー・ハーツ創立35周年記念映画 ④ http://twst.onlyhearts.co.jp