9月4日から9月6日までの全国映画動員ランキングが発表。公開7週目を迎えた『映画ちいかわ 人魚の島のひみつ』(公開中)が、前週の2位から首位に浮上。2度目の首位返り咲きを果たし、通算5度目のNo. 1を獲得。累計成績は動員960万人&興収138億円を突破しており、2026年公開作のNo. 1に躍りでた。
■『映画ちいかわ』が入場者特典&4DXでさらに躍進!海外で“社会現象”を巻き起こしたあのホラーも好発進!
【写真を見る】“体験性”への期待が上昇中!21歳の天才映像クリエイターが手掛けた洋画ホラーに、小中高生の観客が?
9月5日の土曜日から入場者特典第4弾の配布がスタートした『映画ちいかわ 人魚の島のひみつ』。週末3日間の観客動員は92万8000人、興行収入は14億1500万円を記録。前週末との対比では動員、興収共になんと250%超。公開3週目のお盆休み直前(入場者特典第2弾の配布があった)週末と比較しても80%ほどの好成績を維持しており、入場者特典の効果はやはり絶大だったよう。
ちなみに“2度目の首位返り咲き”というのは意外と前例が少ないようで、コロナ禍以降を調べてみたところでは『ONE PIECE FILM RED』(22)の一例のみ。同作の場合は公開から11週連続で首位を守り抜いた後、13週目での返り咲きから2週連続V。次に首位に浮上してきたのは公開64週目であり、それは公開から1年以上経ってのアンコール上映でのタイミング。それ以前のものでは『君の名は。』(16)まで遡らなければならないようだ。
つまりは『映画ちいかわ』の興行の特徴は、こうしたイレギュラーともいえる乱高下であり、その要因は言わずもがな入場者特典であろう。ここまで公開初週末から隔週で新規特典の配布が行われているが、前週比半減と前週比増を繰り返してきている。ただ、今回の伸び方がずば抜けているのは、入場者特典に加えて4DX上映がスタートしたことも関係しているはず。現状では4DX上映の具体的な成果は判明していないが、どちらにせよ特典と体験性、こうした“映画を観る”こと以上の付加価値が求められた結果といえよう。
その体験性という面でいえば、全米公開直後から驚異的な大ヒットを記録し注目を集めていた『バックルームズ』が4位で初登場。現在21歳という若き映像クリエイターのケイン・パーソンズがウェブ上で発表した短編シリーズを、パーソンズ自らが監督を務め、A24とタッグを組み長編映画化した同作。初日から3日間で動員16万3000人、興収2億4700万円と、独立系配給会社(ハピネットファントム・スタジオ)の作品としてはかなり上々のスタートを切っている。
公式の発表によれば小中高生をはじめとしたZ世代の観客が目立っているようで、友人同士やカップルはもちろんのこと、親子で来場する人も少なくないのだとか。また、字幕版と日本語吹替版の動員比率はほぼ半々。新学期で直接顔を合わせる機会が増えるこのタイミングで、ネット発のカルチャーをイベントとして大勢で体験したいという動きが拡大すれば、北米をはじめとした海外と同様、ここ日本でも現象級のヒットとなる可能性が高そうだ。
■『白鳥とコウモリ』、『SEKIRO: NO DEFEAT』も初登場!
ここからはランキングに戻ろう。2位に初登場を果たしたのは、先日亡くなったベストセラー作家の東野圭吾による同名小説を、『あゝ、荒野』(17)の岸善幸監督のメガホンのもと、松村北斗と今田美桜のダブル主演で映画化した『白鳥とコウモリ』(公開中)。
前日に行われた先行上映を含む週末3日間の成績は、動員30万2997人、興収4億3292万4260円。昨年10月に公開され最終興収23億円を記録した松村の主演映画『秒速5センチメートル』(25)のオープニング動員と比較すると109%と好スタートを切ることに成功。数多く映像化されてきた東野作品だが、作者亡き後に公開される作品はこれが初めて。今田にとっては初の長編映画主演作でもあり、あらゆる点で今後語り継がれる作品となることだろう。
前週1位に初登場を果たした『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ 〈ワルプルギスの廻天〉』(公開中)は、週末3日間で動員21万7000人、興収3億6400万円を記録し3位に。公開4日目にはやくも興収10億円を突破した同作は、公開10日間の累計成績で動員90万4721人、興収15億3795万9580円に。動員100万人到達も目前まで迫ってきている。
公開6週目を迎え5位にランクインした『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』(公開中)は、累計で動員336万人&興収54億円を突破。公開10週目を迎え6位となった『トイ・ストーリー5』(公開中)は累計で動員915万人&興収127億円を突破。夏休みシーズンが終わってペースは落ち着いたとはいえ、まだまだ堅実な成績を収めているようだ。
『白鳥とコウモリ』、『バックルームズ』のほかに新作タイトルでは、アクションアドベンチャーゲーム「SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE」を原作とした全編手描きによる2Dアニメーション『SEKIRO: NO DEFEAT』(公開中)が9位に初登場を果たしている。
以下は、1~10位までのランキング(9月4日〜9月6日)。
1位『映画ちいかわ 人魚の島のひみつ』
2位『白鳥とコウモリ』
3位『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ 〈ワルプルギスの廻天〉』
4位『バックルームズ』
5位『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』
6位『トイ・ストーリー5』
7位『映画クレヨンしんちゃん 奇々怪々!オラの妖怪バケ~ション』
8位『キングダム 魂の決戦』
9位『SEKIRO: NO DEFEAT』
10位『ミニオンズ&モンスターズ』
次週末は、クリストファー・ノーラン監督の最新作となる『オデュッセイア』(9月11日公開)、アニメーション映画も大ヒットを記録した藤本タツキの同名漫画を是枝裕和監督が実写映画化した『ルックバック』(9月11日公開)、重岡大毅が主演を務める『5秒で完全犯罪を生成する方法』(9月11日公開)などが控えている。
文/久保田 和馬
