VRアニメーション映画『猫が見えたら』が、台湾で開催される国際映画祭「高雄映画祭」のXR部門で、2026年度の最高賞を受賞した。

本作はアニメーション作家の和田淳さんが監督をつとめ、講談社VRラボが企画/制作した作品。

本年度にノミネートされた29作品の中から、「感情・物語・アート」に優れた作品として最高賞の「XR Golden Fireball Award」に選出されたほか、2024年に新設された異分野の代表者が選出する「XR Spark Award」も受賞したという。

『猫が見えたら』の「高雄映画祭」受賞の様子

『猫が見えたら』の「高雄映画祭」受賞の様子

幻影の猫の視点から、精神が不安定な少年の行く末を見守る『猫が見えたら』

『猫が見えたら』は、VR視点で繰り広げられる約37分の360度短編アニメーション作品。ヘッドマウントディスプレイを用いて鑑賞することができる。

主人公は愛猫のにゃーごを失い、精神的に不安になった少年・なおき。

彼が猫の幻影を見るようになったと訴えたことで、母親によって精神病院へ入院させられ、治療を受けて変質していく様子、そしてその後の過程を「幻覚の猫」の視点から見守る作品だ。

日本語キャストには、なおき役に俳優の若葉竜也さん、なおきの母親役に遊井亮子さんが出演している。

VRアニメーション映画『猫が見えたら』トレーラー

VRアニメーション映画『猫が見えたら』トレーラー/画像はSteam作品ページより

監督をつとめる和田淳さんは、文化庁メディア芸術祭アニメーション部門優秀賞を受賞した『わからないブタ』(2010年)、ベルリン国際映画祭で銀熊賞(審査員賞)を受賞した『グレートラビット』(2012年)などを手がけた短編アニメーション作家。

自身にとって初となるVR映画作品となった本作では、日本の精神医療が抱える課題を、関係者への取材をもとに構成。そこに監督のアニメーションスタイルと、VRならではの没入感を融合させている。

VRアニメーション映画『猫が見えたら』トレーラー

VRアニメーション映画『猫が見えたら』トレーラー/画像はSteam作品ページより

本作は2025年10月に完成後、第82回ヴェネツィア国際映画祭でのノミネートを皮切りに、これまで22の国際映画祭で受賞・招待上映が実現。国際的な高評価を得ている。

なお、『猫が見えたら』は現在、ゲーム配信プラットフォーム「Steam」と、VRヘッドセット「Meta Quest」向けアプリストアで、2500円で配信中。VR機材が必要となるが、自宅からでも鑑賞できる。

asada_kadura

フリーライター・編集者。1991年生まれ、東京都出身。早稲田大学 文化構想学部卒。
VRとVTuberがきっかけで執筆活動を開始し、Webエンジニアを経て、2022年に独立。XR/VTuber/ソーシャルVR(メタバース)/AIを中心に取材・執筆活動を行っている。
プライベートではVRChatに入り浸る。プレイ時間は5000時間程度。

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