
11日の自由が丘女神まつりで、自由が丘映画祭をPRする(右から)山本一誓さん、橋本真人さん、横山翔一さん、山本真子さんたち実行委メンバー=目黒区で
「街に新たな映画文化を」−。かつて映画館が6カ所あった東京・自由が丘で、街に愛着を持つ有志らが11月13〜15日、「自由が丘映画祭」を初めて開催する。公募した長編、短編、子ども向けの3部門計28作品のコンペティションをメインに、名作上映などで自由が丘を3日間、「映画の街」にする挑戦。有志でつくる実行委員会の山本一誓(いっせい)委員長(49)は「映画を通じて街に新しい風を吹かせたい」と意気込む。(飯田克志)
1950年代の自由が丘に映画館は、自由ケ丘名画座、南風座など6館が立ち並び、そのエリアは「映画街」と呼ばれたという。だが徐々に姿を消し、2004年に残っていた自由ケ丘武蔵野館も閉館した。
山本さんは自由が丘駅近くでミュージックバー「ハイフン」を15年経営。音楽やアートなどに携わる人も多く訪れる店では、近所に住む客の映画館の思い出が何度も話題に上り、2年ほど前に山本さんは常連客らと「いつか映画をやりたいね」と話すようになった。
「自分も子どもが生まれ、お世話になっている自由が丘で、子どもたちに映画を見た記憶の風景をつくれないか」。山本さん自身も思いが募り、今年1月、ダンサーで店も手伝う妻真子さん(33)、映画監督の横山翔一さん(38)、ユーチューバーマネジメント会社員橋本真人さん(31)を中心に実行委を結成。「人と人がつながり、人と街がつながり、その余韻が街全体に広がっていく映画祭」(実行委)を目指し動き出した。
審査委員長は、店でよくイベントを催していたゲーム音楽の第一人者の作曲家、植松伸夫さん(67)に依頼し、快諾を得た。会場探しは難航したが、自由が丘商店街振興組合の協力を得て、9月に駅前にオープンした複合商業施設「自由が丘ミューズスクエア」のホールを確保できた。
コンペの作品公募では、自由が丘らしく「自由な発想と独自の視点」などをテーマにした。複数の公募サイトで告知し、映像系の学科やコースのある大学、専門学校など幅広く案内を送った。その努力が実って、予想を超える300作品が全国から届いた。ドラマ、ドキュメンタリー、アニメーションなど多彩な作品を上映できることになった。
審査には街の人にも参加してもらい、子ども向け作品は「こども映画祭」と銘打ち、コンペでは見た子どもたちに投票してもらう。関連企画として、飲食店でノミネートを逃した作品の上映や、チケット半券での特別サービスなども計画。街の中でも映画祭を体感できる3日間にする。映画祭のディレクターを務める真子さんは「自由に楽しんで、ワクワクしてもらえたら」と話している。
チケットは一般1500円、学生1200円(目黒区在学在住800円)、子ども500円。詳細・チケットは映画祭サイトで。
【セレクション作品】
白蛇伝/シェルブールの雨傘/奇跡のリンゴ/ウルフウォーカー/山村浩二作品集(頭山、春の海など)/やさいのようせい N.Y.SALAD The Movie
