2026.10.16 NEW


ネットフリックス『アニマルズ』 誘拐された息子を救うため、究極の決断を迫られる!


俳優として出演を途切れさせず、監督としてクオリティの高い作品を送り続ける。いわゆる“二足のわらじ”でその両面で活躍することは、ハリウッドでの理想的なスタイルだが、実現させているスターは少数。その一人がベン・アフレックと言っていいだろう。

トップ俳優になって、かれこれ30年。オスカーを獲得したのが脚本賞(1997年の『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』。マット・デイモンと一緒に受賞)ということもあり、つねに映画を“作る側”も目指してきたベン・アフレック。監督3作目の『アルゴ』はアカデミー賞作品賞に輝き、近年も『AIR/エア』で見事な演出力を発揮した。そんなアフレックの最新監督作がこの『アニマルズ』で、自ら主演も務めている。ロサンゼルスの市長選挙に出馬する、弁護士出身のマーク・キンボール。全財産を選挙資金につぎ込むも、勝敗はギリギリラインの状況で焦りも感じている。しかもカウンセラーの妻は別の男と浮気しており、家庭生活にも波風が立つなか、一人息子が何者かに誘拐され、700万ドルを用意するように脅迫電話がかかってきた。身代金をどう用意するのか。一刻を争うサスペンスが展開していく。
 

 
注目したいのが、アフレックが“製作のプロセスでAIを使った”と語っていること。具体的にどう使ったのかは明かしていないが、ポストプロダクション(映像処理や編集)をスムーズに進めるためだとされ、そのあたりに監督としてのチャレンジ精神もうかがえる。そして本作の大きな見どころは、何と言っても選挙戦の裏事情だ。ロサンゼルスで票を獲得するには、さまざまな人種へのアプローチも必要。ちょっとした言動で大打撃をくらう可能性もある。マーク役のベンは、スペイン語のセリフも流暢にこなして、その部分を熱演する。警察沙汰になっては選挙に影響が出るとばかりに、誘拐事件を解決する“裏”のエキスパートが登場するあたりも、政治家らセレブの世界を覗いている感覚。また、事件に関しては、黒澤明監督の『天国と地獄』を明らかに意識しており、名作が時を超えて受け継がれるという発見も可能な一作だ。

『アニマルズ』10月9日配信
製作・監督・脚本・出演/ベン・アフレック 製作/マット・デイモン 出演/ケリー・ワシントン、ジリアン・アンダーソン、レイ・フィッシャー、スティーヴン・ユアン 配信/ネットフリックス
2026年/アメリカ/視聴時間108分


 

文=斉藤博昭 text:Hiroaki Saito

Netflix映画『アニマルズ』10月9日(金)より世界独占配信

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