大河ドラマ「豊臣兄弟!」で、石田三成役を演じる松本怜生さんにインタビューしました。戦国時代を語る上で無くてはならない武将で、否応なく注目される存在。今作では従来のイメージを取り入れつつも、独特なキャラクター作りで人気です。その舞台裏を伺ってみました。(聞き手・「美術展ナビ」編集長 岡部匡志)

「いつ出演するの?」 三成役に盛り上がった周囲
――三成役が決まった時はどんなお気持ちでしたか。
松本さん 大河ドラマの出演は夢でした。オーディションを受けて勝ち取ったものなので、「夢が叶った」と感無量でした。
――しかも注目される三成役です。
松本さん 周囲が盛り上がり、「いつから出演するの?」と頻繁に尋ねられました(笑)。石田三成というと関ヶ原の戦いのイメージが強いですが、今回はそこに至るまでの時代が中心に描かれるので、今はどんなふうに受け止められているのかな、と思っています。

「三成の特定のイメージにとらわれない」
――能力が高くて堅物で、といった点は一般的な三成像を思わせますが、女性にとてもモテたり、そこはかとなくユーモラスだったりと、新鮮なキャラクターです。
松本さん これまでも多くの先輩方が演じてきた役ですが、特定のイメージにとらわれることなく、現場で柔軟に対応することに重きを置いています。事前に様々な準備をしておくことで、監督や共演者からの要望に応えられるような引き出しを増やすことを心がけました。豊臣家という枠組みの中で、三成がどのように動くのか、という事が最終的な着地点になると思います。
ーー三成についてどんなイメージで臨んでいますか。
松本さん 冷静で真面目といった一般的なイメージは崩さず、その上で豊臣家の中での多面的な部分を表現したいと考えています。監督から特定の演技プランを提示されなかったこともあり、自身で役を解釈し、模索しています。現在も正解を探しながら役と向き合っています。

「笑う」三成がきっかけになった役作り
――ユーモアや笑いも松本さん演じる三成の魅力ですね。
松本さん 笑顔を見せたシーンが思いがけず映像として採用されたこともあり、「三成だってこういう時は笑う」という新たなキャラクター作りに結びつきました。演じる上では三成の「気が利く」点に強く共感します。周りを見ながら条項を把握しようとする部分は、自分にも通じるところがあると感じています。三成の強さは武力ではなく、そうした冷静さや判断力にあると捉えています。

――「関白殿下」で盛り上がっている兄弟のノリに合わせて、三成が思わず手を振っているシーン(第37回「秀長の国)はおかしかったです。
松本さん お2人がエネルギッシュなアドリブで笑いを誘ってきたので、三成としてはあくまで真顔で節度を保ちつつ、2人の「殿下!」「殿下!」に心が動いたというところで。三成の真面目さと可愛げが表現できていたのならよかったです。
――大坂城で石川数正を案内しているシーンも三成らしさがありました。
松本さん こちらの勢力を見せつけ、数正を通じて家康を牽制する狙いのあるシーンでしたが、監督から「表情を柔らかに」という指示がありました。秀吉が思うところの「もてなし」の気持ちを壊さないようにしながら、内心に秘めた警戒心と表向きの態度のバランスを取ることに集中しました。

嫉妬の対象になっても「自分の役目に専念」
――豊臣家臣団の中で、三成はこれから微妙な立場になっていきます。
松本さん 秀吉から重要な役目を任されることが多くなり、他の家臣から嫉妬の対象となります。三成自身もそのことは自覚していますが、周囲と自分を比較することには重きを置かず、あくまで自身の役目を全うすることに専念します。秀吉の意図を汲み取り、深く考察し、行動する、ということが三成にとって最優先なのかなと思います。
――福島正則や加藤清正との対立が見どころになりそうですね。
松本さん それぞれの茶々と寧々との関係も加わりつつ、ドラマの構図がはっきりしてくると思います。三成は茶々に最初、警戒心を持っていたのですが、秀吉の思いを踏まえて、徐々に「教育係」としての役割を果たしていくことになります。
――これからどんな三成像になっていきますか。
松本さん 三成自身も大きな存在になってくるので、威厳を意識し、今後は参謀的な役割へとシフトしていきます。既存の三成像を土台にしながら、自身の解釈を広げ、キャラクターの輪郭をさらに拡張していきたいと思います。

松本怜生(まつもと・れお)さん 愛媛県出身。2022年に俳優デビュー。2024年度後期の連続テレビ小説「おむすび」に出演。近年の出演作に、ドラマ「あきない世傳 金と銀」シリーズ、「対岸の家事~これが、私の生きる道!~」、「シンデレラ クロゼット」、「新東京水上警察」、「人間標本」など。12月4日(金)全国公開予定の映画「お姉ちゃんの翠くん」への出演を控える。
大河ドラマ「豊臣兄弟!」
放送予定
<総合>日曜 夜8時00分~8時45分/ (再放送)翌週土曜 後1時05分~1時50分
※NHK ONEで同時・見逃し配信中
<BS>日曜 後6時00分~6時45分
<BSP4K>日曜 後0時15分~1時00分/ (再放送)日曜 後6時00分~6時45分
出演:仲野太賀 池松壮亮 吉岡里帆 浜辺美波 坂井真紀 宮澤エマ 倉沢杏菜 井上和 高橋努 佳久創 山田涼介 松下洸平 大東駿介 谷原章介 吉岡秀隆 ほか
時代考証:黒田基樹、柴 裕之
制作統括:松川博敬、堀内裕介
プロデューサー:高橋優香子、舟橋哲男、吉岡和彦(展開・プロモーション)、国友 茜(広報)
演出:渡邊良雄、渡辺哲也、田中 正、酒井 悠、石川慎㆒郎、渡邉昭寛
公式HP:https://one.nhk/toyotomi-kyodai
公式X アカウント:https://x.com/nhk_toyotomi
公式Instagram アカウント:https://www.instagram.com/nhk_toyotomi/
ハッシュタグは #豊臣兄弟
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