短編映画『悲しい音に触れる』場面写真
短編映画『悲しい音に触れる』(監督・脚本・編集:鈴木 冴)が、「TOKYO青春映画祭2026」青春コンペティション部門(短編)のノミネート作品に選出され、映画祭で上映されることが決定しました。
恋を失った痛みに囚われる少女と、彼女の隣で想いを言葉にしない少年。13分の短編の中に、思春期の繊細さ、無意識の残酷さ、そして夏の記憶が静かに刻まれます。
失恋の痛みに立ち止まりながら、それでも相手の「音」に心を奪われてしまう莉里。蒼戸虹子は、強がりと脆さ、自分の痛みに夢中になるあまり他者の想いに気づけない無邪気な残酷さを、一つの表情の中に同居させます。
鈴木冴監督は、その揺れを説明的な台詞に頼らず、視線、沈黙、音、そして二人の距離で描写。俳優の持つ生々しい瞬間を逃さず、少女時代にしかないひりつく感情を、観客自身の記憶に触れるような映画へと立ち上げています。
蒼戸虹子 2009年生まれ、ハワイ出身。RADWIMPS「正解」MV、CX「サバ缶、宇宙へ行く」、映画『白の花実』『脛擦りの森』などに出演し、いま、注目を集める若手女優。
本作の監督は、言葉にされる前の感情や、人と人とのあいだに生まれるわずかな温度差を、俳優の表情と沈黙、空間に残る音からすくい上げる鈴木冴。失恋に傷つく少女が、そのすぐ隣にある片想いには気づかない――そんな残酷ですれ違う感情を、説明しすぎることなく、観客の身体に残る感覚として映し出します。蒼戸虹子の透明感と危うさを、ただ瑞々しいだけの青春像に閉じ込めず、「誰かを傷つけるほど自分の感情に正直な少女」として見つめる演出にも、鈴木監督の作家性が鮮やかに表れています。
高校生の莉里は、親友だった沙織から、長田先輩と付き合うことになったと告げられる。突然の失恋に傷つき、夏の部活にも顔を出せずにいる彼女のもとへ、友人の牧がやってくる。半ば強引に夏祭りへ連れ出す道すがら、莉里は、長田先輩のギターや声が「振動」のように胸を刺し、頭では最低な相手だとわかっていても心が追いつかないと打ち明ける。恋をしたことがないと思っていた牧が「あるよ」と答えても、その視線の先にいる自分には気づかない。失った恋に囚われる少女と、言葉にせず隣に立ち続ける少年。夏の一日、すれ違う二つの想いが静かに触れ合っていく。
莉里と牧。友人の距離を崩さず、夏祭りへ向かう二人。
本作の主題歌を歌うKanadéは、中学生のシンガーソングライター。現在も自身のYouTubeやInstagram、TikTokを通じて積極的に発信を続けています。ミュージックビデオは10月、KanadéのSNSから発信予定。映画祭で作品に出会う方も、これから作品を知る方も、ぜひSNSをフォローして公開をお待ちください。
作品:『悲しい音に触れる』(13分/日本/2025年)
監督・脚本・編集:鈴木 冴
出演:蒼戸 虹子、星野 翼、高橋 真彩
撮影:小海 祈
録音:本田 惇之助
整音:中吉 咲予
ヘアメイク:片山 智恵子
音楽・主題歌:Kanadé
プロデューサー:西川 朝子
本件に関するお問い合わせ:プロデューサー 西川 朝子 asakon@gmail.com
