映画プリキュア最新作『映画名探偵プリキュア!不思議な庭と2人の秘密』が9月18日より公開中!映画オリジナルキャラクターにかりん(声:鬼頭明里)、アラン(声:島﨑信長)、レイン(声:内山昂輝)を迎え、テレビシリーズ「名探偵プリキュア!」(略称「たんプリ」)とは趣の異なるちょっと不思議な謎を、キュアット探偵事務所の面々が追いかける。
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MOVIE WALKER PRESSでは、キュアミスティック/小林みくる役を演じた本渡楓と、映画でみくるとバディを組むキュアアルカナ/森亜るるか役の東山奈央にインタビューを敢行!映画ならではの作品の魅力や演技論、そして”キュアット”解決したいことを聞いた。
■「小さいころ好きになった映画は、大人になってもどこか覚えているもの」(本渡)
――テレビシリーズでは謎解きの楽しさや、絆、友情の大切さを伝えています。映画は少し異なり、ファンタジー色のある内容となっていますが、ストーリーの感想や今作で視聴者に感じてほしいことを教えてください。
東山「『名探偵プリキュア!』の映画なので、私もてっきり謎解きのオンパレードみたいな作品になるのかと思っていたのですが、アフレコ前にプロデューサーさんから、『謎解きはテレビでたっぷりやっているので、映画ではシリーズとして、プリキュアらしさの濃度を上げた物語作りをしました』という説明がありました。実際に、目の前の人を救い、誰かの応援が力になるという、いままでのプリキュアらしさと歴史が詰まった映画になっていると感じました。テレビの『たんプリ』とはアプローチが違うけど、この作品もプリキュアの系譜の一つなのだと、色濃く感じていただける作品になっていると思います」
本渡「令和の現代はSNSが発展していて、みんなが自由に使える時代なので、いろんな情報が目に入ってきますよね。『あそこに行ったんだ、いいな〜』『オシャレだな〜』『スタイルいい!カワイイ!』…。『いいな』とうらやましく思うだけならいいけれど、それを見たことで『え〜自分にはできない』など、自分自身と比べて自信を失ってしまうこともあるかと思います。実際にそれで気持ちが落ち込んでしまう人がとても多いということをニュースなどで見たことがあります。今回の映画ではそういった内容も扱っていて『このままでいいんだ』『自分らしくあったらいいんだ』ということをキュアアンサーをはじめ、プリキュアのみんなが教えてくれますし、それに対する解決の糸口を指し示してくれます。お子さんにはちょっと難しいかもしれないですが、少し大人になった時にふと『あの映画はこういうことが言いたかったのだな』と思い出してもらったり、自分自身を好きになるきっかけや後押しになっていただけたなら、それだけで私はうれしいなと思います。小さいころ好きになった映画は、大人になってもどこか覚えているもので、私自身もそうでした。その一つに『映画たんプリ』がなってくれたら、こんなに幸せなことはありません」
――注目してほしいシーンやポイントを教えてください。
本渡「私は、みくるの成長です。テレビでも、どうしたらみんなの力になれるか、キュアアンサー/明智あんなの相棒に相応しい存在になるためにはどうすればいいか、悩み試行錯誤してきました。映画では、あんなの相棒としてあんなへ訴えかけるようなシーンがあって、そこではいままでは言えなかった自分の言いたいことをしっかり言葉にして言えるようになっているので、『みくるも成長してるじゃん!』と、思ってくださるのではないかと思います」
東山「私は、キュアット探偵事務所の絆の強さです。キュアアルカナとしては映画公開の直前に、キュアアルカナ・シャドウからキュアアルカナに変わって、最近味方側メンバーに加わったばかり。ここからキュアエクレール/帆羽くれあを含めた4人の物語が始まって行くというところで、皆さんにはこの映画で新鮮なチームワークを観ていただくことになります。『どんな事件も“私たち”が解決する』と、“私たち”と言えるようになったところにグッときますし、複雑な経緯を経ても決して失われなかったキュアアルカナの探偵としての矜持、名探偵としてのプロ意識が本当にカッコイイと思います」
■「シャドウに起きることを体験した前提で、映画のキュアアルカナを先に演じなければいけない」(東山)
――みくるとるるかは探偵のプロで、本渡さんと東山さんは声優のプロです。お互いの演技を聞いてプロを感じた部分はどこですか?
本渡「高いところから落ちる時のキュアアルカナの演技を、『どんな音を出すのだろう?キャラを保ちながら、どんなふうにやるのだろう?』と、とても興味津々でした。現場で実際に奈央さんのお芝居を聞いて、『なるほど…!』と思いました!」
東山「合ってた(笑)?」
本渡「もちろんです!私はみくるとして振り幅を持たせて、絵に負けないように『おりゃあ!』って、思いつきのまま遊ぶように演じさせていただいていて。そんな私とは真逆のアプローチが必要となるのが、キュアアルカナという存在と過去の重さです。私なら『難しいな』と悩みそうなので、率直に『すごいな!』毎週感じています」
東山「ありがとうございます。でも実際とても難しいです。キュアアルカナは、表情としては無機質に見えてしまったり淡々としているけど、胸のなかにあるものは熱かったり優しかったりとても一生懸命で、ただその感情表現が小さいだけなんですね。でも『ここで彼女の生き様を出さなかったら、なんのためのお芝居か!』というシーンも要所要所にあって、そういうところでは、お芝居を抑制し過ぎてはダメだし、かと言って出し過ぎてもいけなくて。最終的には肌感覚なのですが、マイク前で『思ったより感情が前に出ちゃったな』とか『思ったより出ていなかった』となることも多々あって、塩梅がとても難しいです。本渡ちゃんも、すごくプロなんですよ。」
本渡「本当ですか!」
東山「よく前に本渡ちゃんが『そんなに準備はしていないんです』と謙遜していたことがあるんですけど、時間をかけて行う準備とは違って、質のいいチェックというんでしょうか。感覚に優れた役者さんであることは間違いなくて、お芝居を聞いていてもそれが伝わってきます。変身バンクは、感情の流れを汲んで毎回違うアプローチを心がけていることが伝わってきます。だからこそキャラクターが生き生きとして、『次はどんなキュアミスティックが観られるのか!』と、みんなワクワクして観ちゃうし聴いちゃうのだと思います」
本渡「ありがとうございます!」
――今作に限らずお仕事をするうえで、心掛けていることや事前にやることはなんですか?
本渡「奈央さんのそれ、知りたいです!」
東山「私は台本を読んで、映像に合わせるために練習するといった基本的なことはどの作品でも同じですが、作品によってプラスアルファが異なります。特に今作での私の立ち位置は特殊で、テレビシリーズでまだキュアアルカナ・シャドウをやっている段階で、映画の収録で先にキュアアルカナをやらなければならなりませんでした。つまりテレビシリーズで今後キュアアルカナ・シャドウに起きることを体験した前提で、映画のキュアアルカナを先に演じなければいけなかったわけです。そうした収録における時空の歪みを、自分のなかでしっかり整理できていなければ、お客さんが観た時にスムーズな流れにならないと思ったので、そこはとても気を配っていましたね」
本渡「それができるというのが、やっぱりプロです」
――キュアアルカナ・シャドウとキュアアルカナでは、お芝居を変えたのですか?
東山「全然違うものになっていると思います。私たちも憂鬱なことが起きていたり重いことを抱えていたりする時は、トーンが暗くズーンとした感じになりますよね。そういう重い荷物を下ろしてキュアアルカナになった時、どうしたって明るさや幸せ感、仲間がいることの心強さみたいなところで、絶対的なテンションの違いは自然と出てくるものです。なので本来は意識しないのですが、今回は敢えて分けようみたいな気持ちがあったかもしれません。というのも、キュアアルカナ・シャドウを長くやっていたので、映画のアフレコでキュアアルカナを演じた時に、『若干黒に引きずられています』と言われ、自分のなかでしっかりと切り替える意識をしなければ、キュアアルカナは難しいということがあったんです」
本渡「映画の収録現場でも、そのオモチャ用に録った声を何度も聴き直しながらやられていて、とても丁寧に作られていたのが印象的でした」
東山「自分では白になりきったつもりでいても、オモチャの声を聞いたらもっと明るくて、『もっと頑張らなきゃ!』って」
■「妖精チームのアドリブも息ぴったりで『さすがだな!』と思いました」(本渡)
――本渡さんはキュアミスティックを演じるうえで事前に準備されたことは?
本渡「先ほど奈央さんから『謙遜して』とおっしゃっていただきましたけど、本当に台本チェックなど最低限のことだけでして…。タイムをチェックして、ブレスを入れる位置や句読点の位置を確認して。あと、感情表現の部分で忘れないようにしたいところに、顔文字を描いたりしています」
――ト書きに顔文字を?
本渡「はい。どんな顔でしゃべるか。合図だけ描いておいて、現場のテストで初めて声にして出すのです。あまり準備をし過ぎないことも大事なので、その場でパッとアイデアが出せるようなメモや痕跡だけを台本に残しておくようにしています。心掛けているのは『小林みくるちゃんはこの声です!』というものはやらないようにということ。怒った時はこの音域まで行く、びっくりしたらこうなるとか、そういうふうに決めつけちゃダメと思って。なので、みくるはその時に思うがままやっています。いつも『絵に負けないように!』と思っているのですが、収録を重ねるごとに絵のほうもパワーアップしてきて『私も負けないぞ!』と、いまでは毎回絵コンテと戦っています!」
――そんなキュアミスティックとキュアアルカナが、映画では行動を共にするという。
本渡「珍しい組み合わせで!まさか行動を共にするなんて驚きました」
東山「作品としてバディがいつも決まっていて、なにかのハプニングでも起こらなければこういう組み合わせは生まれませんでした。今回は高いところから落ちるというハプニングがあったのですが、それで絆を深めることができたのは、災い転じて福と成すといいますか良かったなって思います。ただ、リアクションの大きさが全然違っていたのはおもしろかったです。お城がガタガタ鳴って異変が起きた時、『あばばばばば』ってなるみくると、無言で様子を伺っているるるか。温度差のギャップは注目です。今後こういう展開があるかどうかは、私たちにもわからない貴重なシーンなので、ぜひ楽しみにしていてください」
――映画には「キミとアイドルプリキュア♪」(略称「キミプリ」)と「わんだふるぷりきゅあ!」(略称「わんぷり」)のメンバーも登場します。一緒に収録された印象を教えてください。
本渡「『キミプリ』メンバーとの収録が主だったのですが、キュアアイドルが突然歌い始めて驚きました!その歌もアフレコ収録の流れでやられていて、純粋に『すごい!』と感動しました。キャストの皆さんは、きっと久しぶりに集まって映画収録に挑まれたのではないかと思うのですが、とてもワイワイとした雰囲気で、妖精チームのアドリブも息ぴったりで『さすがだな!』と思いました」
東山「『キミプリ』の皆さんは、2月に開催された『キミプリ』の感謝祭ぶりに集まったとおっしゃっていました。皆さん演じられているキャラクターのカラーを身に着けていらして、南條愛乃さん(キュアズキューン/プリルン役)はご自身が演じたプリルンのマスコットを首に下げていらっしゃって。皆さんの作品に対する思い入れが伝わって、そうやって現場に臨まれている姿がすてきでした。妖精同士の邂逅もあって、『たんプリ』でポチタン役の加藤英美里さんと南條さんが、『プリルンって呼んでもいい〜?』『いいですよ〜!』など会話されている様子が、なんとも微笑ましかったです!」
――では最後に、いま“キュアット”解決したいことを教えてください。
東山「1日がアッと言う間に過ぎてしまうことですね。やりたいお仕事がいっぱいあって、突き詰めたいこともどんどん増えているのに息抜きの時間もほしい。それはそれでバイタリティがあっていい人生を送れていると思うのですが、とにかく時間が足りないことをキュアッと解決したいです!」
本渡「私は、どうやったら髪の毛をきれいに伸ばせるか、です。最近はずっと色を抜きっぱなしにしているのですが、このままロングの長さまでいけたらいいなと思っていて。どうしたらきれいに伸ばせるか、どなたか教えてほしいです…!」
取材・文/榑林史章
