【9月16日 東方新報】8月31日、2026年の夏休み興行が終了した。中国国家電影局のデータによると、6月1日~8月31日の総興行収入は124.98億元(約2856億2554万円)、延べ観客動員数は3.4億人に達し、前年同期比でそれぞれ4.45%、5.86%増加した。上映回数は3851万回と過去最高を記録した一方、平均チケット価格は36.74元(約839円)で、2022年以降の夏休み興行では最低水準となった。

市場は回復基調を示したものの、その中身を見ると、「喜び」と「心残り」の両面が浮かび上がる。

興行収入トップ3はいずれも中国製作の作品で、『功夫女足(邦題:カンフー・サッカー)』が23.15億元(約529億631万円)、『歓迎来龍餐館(邦題:ようこそ、龍レストランへ)』が19.51億元(約445億8756万円)、『八仙!(英題:All Wishes Come True!)』が18.46億元(約421億8793万円)を記録。3作品の合計シェアは約49%に達し、昨年の43.7%を上回った。

輸入大作も好調で、4位の『スパイダーマン:ブランニュー・デイ(英題:Spider-Man: Brand New Day)』と5位の『オデュッセイア(英題:The Odyssey)』の2作品だけで21億元(約479億9277万円)超を稼いだ。中国映画と輸入作品がともに存在感を示し、観客の選択肢も広がった。

一線都市の市場も回復した。興行収入シェアは19.2%と近年の最高水準となり、深セン市(Shenzhen)は18.2%増、広州市(Guangzhou)は12.8%増となった。省別では広東省(Guangdong)が18.5億元(約422億7934万円)で首位を維持し、華東地域も37.3%を占め、中国最大の映画市場としての存在感を示した。

今年は良質な作品が興行成績にも結びついた。口コミサイト「豆瓣(Douban)」では、『ようこそ、龍レストランへ』が8.7点、『オデュッセイア』が8.6点、『八仙!』が8.2点を記録し、いずれも興行面でも好調だった。

特に『八仙!』と『ようこそ、龍レストランへ』は、初日の興行収入がそれぞれ8300万元(約18億9685万円)、8600万元(約19億6541万円)だったにもかかわらず、最終的には18億元を突破した。口コミによって観客を増やし続け、「コンテンツこそが王様」であることを改めて証明した。

また、夏休み興行のIMAX興行収入は7.45億元(約170億2600万円)に達し、前年同期比40%増となった。『オデッセイ』だけで3.28億元を記録し、同作の総興行収入の54.7%を占めた。『スパイダーマン:ブランニュー・デイ』もIMAXで2億元(約45億7074万円)近くを稼いだ。

こうした数字からは、観客が単に映画を見るだけでなく、没入感や高品質な視聴覚体験を重視する傾向が強まっていることがうかがえる。映画館ならではの体験が、新たな興行収入の原動力になりつつある。

一方で、今年の夏休み興行では、公開延期や上映中止が相次いだことも課題として浮かび上がった。『三国志・第一部:洛陽争奪戦』は、豆瓣で8.0点の高評価を得ながら、公開16日後に上映打ち切りを発表した。上映シェアは初日の15.6%から0.8%まで低下した。また、黄渤(Huang Bo)、吴磊(Wu Lei)主演のSF映画『群星閃耀時(英題:Shooting Stars)』も、公開から48時間足らずで上映中止を決定した。こうした事例は、作品の評価だけでなく、公開時期や上映枠の確保、宣伝戦略などが興行成績を大きく左右する中国映画市場の厳しさを改めて示した。

中小規模作品の苦戦も続いている。評価の高い作品でも、宣伝予算の不足や大作による上映枠の圧迫などから、口コミを興行収入につなげられないケースが少なくない。市場回復の恩恵はトップ作品に集中する傾向があり、中小規模作品の生存環境は依然として厳しい。

124.98億元で幕を閉じた2026年の夏休み興行は、市場の回復と良質なコンテンツの強さを示す結果となった。

一方で、公開延期・中止の相次ぎ、続編の失敗、中小規模作品の苦戦など課題も残った。観客は映画を愛さなくなったのではなく、作品を見る目がより厳しくなっている。IPや話題性だけでは長期的な支持は得られず、最後に問われるのはやはり作品そのものの質だ。(c)東方新報/AFPBB News

 

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