ガザ空爆描いた映画監督にイスラエル閣僚激怒 「国籍剥奪」要求

『NAZA』で審査員特別賞を受賞したイスラエルのラヘル・ショール監督とユヴァル・アブラハーム監督。ベネチア・リドで開催された第83回ベネチア国際映画祭で(2026年9月12日撮影)。(c)Stefano RELLANDINI/AFP

【AFP=時事】イスラエルのミキ・ゾハル文化相は13日、同国によるパレスチナ自治区ガザ地区への攻撃を描いたドキュメンタリー作品『NAZA』(原題)が、第83回ベネチア国際映画祭で審査員特別賞を受賞したことを受け、同作品を手掛けたイスラエル人監督2人の国籍剥奪を求めた。

『NAZA』を手掛けたのは、ユヴァル・アブラハーム監督とラヘル・ショール監督。同作で2人は、イスラエル軍や情報機関の内部告発者24人にインタビューを実施し、何万人もの市民を死亡させているガザ空爆で、人工知能を活用した目標選定システムがどのように運用されているかに迫った。

ゾハル文化相は、X(旧ツイッター)への投稿で、両監督が「世界中の反ユダヤ主義者から拍手を受けるために自国を傷つけようとした」と非難し、「国家に対する反逆罪で、これら浅ましい制作者らのイスラエル国籍を即座に剥奪するよう行動を起こす」と投稿した。

アブラハーム監督とショール監督は、占領下にあるヨルダン川西岸でのイスラエル人入植者による暴力を描いたドキュメンタリー映画『ノー・アザー・ランド 故郷は他にない』でアカデミー賞を受賞している。

ゾハル氏の他、極右のイタマル・ベングビール国家治安相もXへの投稿で「お前たちはイスラエル国民全体の恥であり、面汚しだ。失せろ!」と非難。「お前たちの友人、つまりわれわれの敵であるガザのハマスが、両手を広げて大歓迎してくれるはずだ」と続けた。

イスラエルにおいて国籍の剥奪は法的に可能だ。しかし、実際に適用されるケースはほぼない。

最高裁判所は2022年、スパイ行為や国家反逆罪などの「不忠実」な行為に対し、国が国籍を剥奪できることを確認した。さらに2023年の改正では「テロ」で有罪判決を受けた者にも適用されることとなった。

国籍剥奪のプロセスには、内務相による請求、法務相による承認、そして裁判官による確認が必要となる。

受賞に際しアブラハーム氏は「取材に応じたイスラエル情報将校らは、この大量殺戮が偶発的なものではなく、パレスチナ人の人間性を完全に否定することに基づいた組織的・計画的な殺人行為や政策であると語っていた」と述べた。

一方、イスラエル軍は同作での匿名証言の使用を批判し、内部告発者の身元は「確認できない」と主張。民間人を標的にしているとの指摘についても否定している。
【翻訳編集】AFPBB News

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