ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2026.09.13 09:24
12日に閉幕した第83回ベネチア映画祭で、映画『もしもの愛』で、銀獅子賞(審査委員大賞)を受賞した李滄東(イ・チャンドン)監督は、「今後観客ともう少し深く会いたい。この賞はそういうことを激励する賞だと考える」と感想を明らかにした。
李監督はこの日、ベネチアのリド島で開かれたベネチア映画祭受賞者記者会見で、「映画を作る人たちにとって、映画に対する悩みがますます深まっていく時代だと考える。人々が劇場に集まることも面倒くさがり、各自が映画を通じて(考えを)話し合っていたのが、徐々に関係が途絶えるといおうか。そのような状況でどんな映画を作るべきなのか悩むほかない」としながらこのように話した。合わせて「(映画を通じて)観客の質問と観客の考えが出会った良いだろう」と付け加えた。
『もしもの愛』は大量リストラにより職を失った労働者夫婦とドキュメンタリー監督夫婦が絡まり合いながら広がる愛と欲望に関する話だ。こうした設定には10年以上にわたりこの映画のシナリオをめぐり悩んだ李監督の視線が込められている。
李監督は「話の始まりは10年ほど前に韓国で起きた大企業の整理解雇問題だった。労働者がストライキをし、それを強制鎮圧する過程で社会的な衝撃もあった。私自身も多くの衝撃を受けた。しかしその人たちの話を劇映画として作って見せることに対し、私が果たして資格があるのか確信できず、プリプロダクション(映画制作直前段階)まで行ったが、やめてしまった」と明らかにした。その後「多くの時間が過ぎてから、ドキュメンタリー監督がその人たちの話を撮影するような話とともに新たに映画を作ることになった」と説明した。
合わせて「映画が他人の苦痛を映画のために消費することが多いが、映画を作る人たちが他人の苦痛をどのように映画に盛り込むべきなのか、その質問を私自らもして観客とも分かち合いたかった。その上で映画を作る過程自体に、もしかすると苦痛をともに分かち合い互いにその苦痛を治癒できる方法を探しに行けないだろうか、そんな考えもするようになった」と付け加えた。
一方、李監督は『もしもの愛』に出演した俳優チョ・ヨジョンに良い夢をもらったと明らかにしたことがある。記者会見で李監督は関連する質問を受けたが、どのような夢だったかを明らかにすることはなかった。彼は笑って「韓国にはそのような風習がある。そのような夢がこうした幸運をもたらしたものと考える」とだけ話した。
この日の審査委員記者会見で、今年のベネチア映画祭審査委員の1人である香港のジョニー・トー監督は『もしもの愛』の授賞理由について「李滄東の今回の映画は彼が作った映画8本の中でも最も繊細で成熟している。文化的違いのためすべての部分をすべて理解することはできないが、この映画のすべてのディテールな要素を高く評価した。私はこうした種類の映画を絶対作ることができないだろう」と話した。
一方、トロント映画祭参加に向けベネチアを離れた映画出演俳優は、ネットフリックスを通じて受賞の感想と祝いの言葉を伝えた。チョン・ドヨンは「今回の受賞が、監督が次の作品を書いていくのに大きな動力になることを望み、すでに次に見せてくれる映画が気がかりだ」と明らかにした。ソル・ギョングは「この作品をともにしたということだけでも深く感激で、心から誇らしい」と話した。
チョ・インソンは「作品が大きな賞を受賞することになりとてもありがたく、光栄だ。この大切な結実は何より韓国映画を変わることなく愛して下さった方々の力のおかげ。頭を下げ感謝の言葉を伝えたい」と話した。チョ・ヨジョンも「素敵な映画を作っていただいた監督にお祝いと感謝を伝え、1日も早くより多くの方々と会い深い感動をともに分かち合うことができることを願う」と付け加えた。
